【1月8日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は7日、共和党のダン・コーツ(Dan Coats)前上院議員(73)を国家情報長官に指名すると正式に発表した。

 インディアナ(Indiana)州選出の上院議員だったコーツ氏は、駐ドイツ大使や上院情報特別委員会(Senate Select Committee on Intelligence)委員を務めた経歴がある温厚な人物で、米国の16の情報機関を統括する国家情報長官に適任だと高く評価されている。しかしトランプ氏は将来的に国家情報長官の役割を縮小する可能性もある。

 トランプ氏は声明で「ダンは、米国の情報機関を率いるのに必要な深い専門知識と健全な判断力を明確に示してきた」「国家情報長官として承認されれば、彼(コーツ氏)は米国の全情報機関から尊敬され得るリーダーシップを発揮し、米国に危害を加えようと試みる者たちを絶えず警戒する私の政権で陣頭指揮を執ってくれるだろう」と述べた。

 前日の6日、トランプ氏はジェームズ・クラッパー(James Clapper)現国家情報長官やジョン・ブレナン(John Brennan)中央情報局(CIA)長官ら米国の主要情報機関トップと会いブリーフィングを受け、昨年の米大統領選期間中、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がトランプ氏を次期大統領としてホワイトハウス(White House)に送り込むのを後押しするため、主に米民主党を標的とした大規模なサイバー攻撃を命じたと説明されていた。

■ロシア政府のブラックリストに掲載

 1989~99年と2011年から今月3日の任期満了まで上院議員を務めたコーツ氏は、ロシアによる2014年のクリミア(Crimea)併合を受けて米国が課した制裁の報復としてロシアがブラックリストに載せた米議員6人と米政権幹部3人のうちの1人。ロシアに対する厳しい制裁を主張していたコーツ氏は光栄なことだと述べていた。

 ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領政権時代の2001~05年に駐ドイツ大使を務め、過去6年間は上院情報委員会や経済関係の委員会に所属していたコーツ氏は7日、国家情報局長官への指名を歓迎し「米国の安全を守ること以上の優先課題はなく、私が利用できる手段をすべて駆使してそれを実現したい」と声明で述べた。(c)AFP/Gregory Feifer