【1月7日 AFP】ミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人(52)は6日、米ホワイトハウス(White House)で開かれた年間最優秀スクールカウンセラーの顕彰式でスピーチし、時折感極まった様子を見せながら米国の若者らに将来を憂えるのではなく将来のために闘うよう呼び掛け、ファーストレディーでいることは自分の人生で最大の栄誉だったと述べた。

 ホワイトハウスのイーストルーム(East Room)でスピーチしたミシェル夫人は「この部屋にいる若者の皆さん、それから(この場面の映像を)ご覧になっている皆さん、この国はあなた方のものなのです。あらゆる経歴、あらゆる社会的地位のすべての人々のものなのだということを理解していてください」と呼び掛けた。

 公人としての役割に重点を置き、健康的な生活習慣や女子教育の推進、軍人家族の支援に力を入れてきたミシェル夫人。しかし初の黒人ファーストレディーとして最も大きな影響を与えたのはマイノリティーのロールモデル(模範)としてだった。中でも最も華々しかったのは、大統領選期間中に移民やイスラム教徒を攻撃したドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を公然と批判した時だ。

「あなたやあなたの両親が移民であるなら、あなたは米国の誇り高き伝統の一部だということを心に刻んでください」

「たゆまぬ勤勉さと優れた教育があれば、どんなことも可能になる。大統領にだってなれる。それこそがアメリカンドリームなのです」

 さらにミシェル夫人は「宗教的な多様性も米国の偉大な伝統であることを忘れないでください」「私たちの輝かしい多様性が私たちを形作っているのです」とも述べた。

 ミシェル夫人は今回、トランプ氏に直接言及はしなかったものの、同氏が当選したことを念頭に置いていた。

「自由を当たり前のものと思ってはいけません。自分の自由を守るには自分の役割を果たさなければなりません」

「恐れないで──若者の皆さん、聞いてる?──恐れないで、目的意識を持って、決然とした姿勢で、自立し…模範を示してください。希望を持って、決して恐れずに」

 最後に「ファーストレディーでいることは私の人生で最大の栄誉でした。皆さんが誇りに思ってくれたらうれしい」と感極まった様子で語った。

 トランプ氏が大統領に就任する今月20日、ミシェル夫人はバラク・オバマ(Barack Obama)大統領と共に、8年間過ごしてきたホワイトハウスを去る。(c)AFP/Jerome CARTILLIER