南極で巨大氷塊が分離へ 海面上昇の恐れ
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【1月7日 AFP】英国の研究チームは6日、南極のラーセンC(Larsen C)棚氷から近く、米ニューヨーク(New York)のマンハッタン(Manhattan)島の100倍近い面積を持つ巨大な氷塊が分離する見込みだと発表した。
厚さ350メートルで指の形をした氷塊は、今までゆっくり分離が進行していたものの、昨年12月末になって突然、亀裂の長さが18キロメートル伸びた。また亀裂の幅も2011年には50メートルだったものが、現在では500メートルまで拡張。氷塊は現在、そのごく一部が棚氷とつながっている状態にある。
英ウェールズ(Wales)にあるスウォンジー大学(Swansea University)の教授で、西南極の氷層の変化を記録する英団体「プロジェクト・マイダス(Project Midas)」を率いるエイドリアン・ラックマン(Adrian Luckman)氏は、氷塊が今後数か月以内に完全に分離する見込みだと語っている。
棚氷からの氷塊の分離は自然現象だが、そのペースは近年の地球温暖化により加速していると考えられている。ラックマン教授によると、分離しつつある氷塊の体積は棚氷全体の約1割に相当し、今までに分離が記録された氷塊の中でも上位10位以内に入る大きさになるという。
この氷塊単体では海面上昇は生じないが、分離によってラーセンC棚氷がせき止めている内陸部の氷河が海に流出する恐れがある。こうした氷のすべてが海へ流れ出た場合、地球全体で海面が約10センチ上昇すると予測されている。(c)AFP/Marlowe HOOD