【1月5日 AFP】1998~2014年に地球温暖化の一時的な休止があったとの見方は誤りだとする米英大チームの研究論文が4日、米科学誌「サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)」に掲載された。

 論文を発表したのは米カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)と英ヨーク大学(University of York)の合同研究チーム。地球温暖化の休止をめぐっては2015年に米海洋大気局(NOAA)が発表した報告書が物議を醸していたが、今回の論文はNOAAの報告書を裏付けるものとなった。

 NOAAは報告書で、現在の海洋気象ブイによる海水温測定値は、以前の海洋気象観測船によるものよりやや低い温度を示す傾向にあると指摘。ブイ観測に切り替えたことで「冷却化したとの思い込み」が生じ1998~2014年に起きた温暖化が一部見過ごされていたと結論付けていた。

 しかしこの報告書は発表されるや否や、地球温暖化の一時的な「休止」はあったと主張する科学者や、地球温暖化そのものがでっち上げだとする批評家たちから激しい反発を招くこととなった。

 カリフォルニア大とヨーク大の合同チームも当初はNOAAの報告に懐疑的だったという。だがこのほど、海洋気象ブイのデータに加え、人工衛星を利用して海洋変動を世界規模で自動観測する漂流ブイ「アルゴ(Argo)フロート」からのデータなどを独自に収集。NOAAとは異なるデータと手法を用いて検証した結果、2015年のNOAA発表は正しかったことが確認できたという。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI