2016年の自然災害による損失額、過去4年間で最悪 独保険大手
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【1月5日 AFP】2016年に起きた暴風雨や地震などの自然災害で1750億ドル(約20兆円)の損害が生じたと、再保険大手の独ミュンヘン再保険(ミューニックリー、Munich Re)が4日、明らかにした。2012年以降で最も大きい損害額だという。
昨年は全世界で自然災害による経済的損失が3分の2増加したが、犠牲者の数は2015年の2万5400人から8700人に大幅に減少した。
最も大きな損害をもたらした自然災害として、同社は4月に九州で起きた2件の地震と6月と7月に中国で起きた複数の洪水を指摘。損害額は、日本で310億ドル(約3兆6000億円)、中国で200億ドル(約2兆3000億円)としている。
全体的にみると、洪水が損害の34%を占めており、過去10年間の平均値21%と比較すると「異例」の数字だと同社は指摘している。
同社のジオリスク研究チームのリーダー、ペーター・ヘッペ(Peter Hoeppe)氏は、「2016年の気象関連災害をいちべつすると、抑制されていない気候変動による影響の可能性が示されている」と述べた一方で、「個別の事象そのものが、気候変動に直接起因することはありえない」と指摘している。(c)AFP