【12月31日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は30日、米北東部バーモント(Vermont)州の送電システムで、ロシアによるハッキングに関連する不正コードが検出されたと報じた。米国の送電網の脆弱(ぜいじゃく)性を示す可能性がある。

 同紙が引用している米当局者の話によれば、同州の送電事業において、この不正コードによる問題は生じていない。不正コードは、米当局が通称「グリズリー・ステップ(Grizzly Steppe)」と呼んでいるロシアによるハッキングに関連するものだという。

 同州の電力当局が29日夜に連邦政府から警告を受けたためにスキャンを実行したところ、送電網には接続されていないノート型パソコン1台でマルウエア(悪意のあるソフトウエア)が発見された。このパソコンは隔離された。

 ポスト紙によれば、米当局ではロシアが送電網を標的とした理由をまだ突き止めていないが、送電に混乱を生じさせるか、送電網の一部に侵入できるかどうかを試したのではないかとみている。

 昨年12月にウクライナ西部で起きた停電はサイバー攻撃によるものと確認されている。この停電について非難を受けたロシアは関連を否定している。

 米連邦捜査当局は今週発表した報告書で、ロシアの情報機関が過去2年間にわたり、マルウエアを仕込んだメールを使って米民主党を標的とした電子メールのハッキングを行っていたと報告し、一連の攻撃は今年11月の米大統領選以降も続いているとの見解を示している。(c)AFP