【12月31日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は30日、同国が米大統領選の妨害をしたと主張する米政府によって科された制裁に対する報復は行わない意向を示した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は前日の29日、ロシアの外交官35人の国外退去処分を発表。これを受けロシア外務省は報復として国内に駐在する米外交官35人を追放するようプーチン大統領に要請しており、報復留保の決断は予想を裏切る形となった。

 プーチン大統領は声明で、「われわれは米外交官に問題を与える措置は行わず、誰も国外追放はしない」と言明。さらに、ロシア大統領府で行われる年末年始の祝賀会に、米外交官の子どもたちを招待すると表明した。

 プーチン大統領は今回の対応を通じ、冷戦(Cold War)以来最悪の水準にまで悪化した米ロ関係の修復について、来月20日に米大統領に就任するドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に期待を寄せていることを明示した。

 プーチン大統領は、ロシア政府が次の措置を「トランプ政権が追求する政策に基づき」検討していくと述べた一方、自国には報復の権利があると警告した。(c)AFP/Max DELANY