【12月29日 AFP】(更新)シリア政府軍とその主要同盟国のロシアは29日、シリア全土を対象とした停戦が30日午前0時(日本時間同7時)に発効すると発表した。同国で6年近く続く内戦の終結に向けた突破口となる可能性がある進展だ。

 今回の停戦合意は、政府軍を支援するロシアと反体制派を支援するトルコの両国が仲介したが、これまでロシアと共に停戦交渉を行ってきた米国は関与していない。

 停戦合意を発表したロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、シリア政府と「反体制派の主要組織」が停戦を宣言する文書に加え、和平協議を開始する用意があるとの宣言にも署名したと明かした。

 さらに、シリアで展開している自国軍の軍備を「縮小」していく意向も示した上で、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対する支持は継続すると強調した。

 一方、シリア軍も声明で「軍総司令官は、12月30日の午前0時からシリア領土内での全ての戦闘行為を中止する」と述べた。ただ、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」や、かつて「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」として知られていた国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織は停戦の対象外とすると付け加えた。

 シリアの主要反体制派組織「シリア国民連合(National Coalition)」も停戦を支持すると表明。同組織の報道官はAFPの取材に対し、「シリア国民連合は、合意への支持を表明するとともに、すべての当事者が合意を順守するよう要求する」と述べた。(c)AFP