【12月28日 AFP】大韓航空(Korean Air)は28日、暴力行為を働く乗客を制圧するため、より積極的なスタンガンの使用を認めるとともに、自社の便に搭乗する男性スタッフを増員すると発表した。

 大韓航空をめぐっては先日、1980年代に一世を風靡(ふうび)した米ポップシンガーのリチャード・マークス(Richard Marx)さんが、機内で暴れる乗客を取り押さえようとする客室乗務員を手伝うとともに、乗務員らの不手際をソーシャルメディアで批判。大韓航空は以降、安全対策の強化を進めていた。

 同社の広報担当者によると、スタンガンやテーザー銃の使用はこれまで、乗客や乗務員の命や安全な運航への「差し迫った脅威」がある状況に限って認められていたという。だが、この広報担当者は「乗務員がより積極的にスタンガンやテーザー銃を使えるよう、使用規則を改定する」と述べた。またすべての航空便に少なくとも男性乗務員1人を搭乗させ、暴れる乗客を迅速に拘束するため新しいロープを購入するとともに、乗務員への訓練の強化を図るという。

 今回の事件に関し韓国の警察当局は、機内で暴れた、化粧品会社の御曹司とされる34歳の男の逮捕状を請求した。大韓航空によると男は機内でウイスキーを2杯半飲んでいたという。(c)AFP