ロシア反ドーピング機関、「組織的ドーピング」を認める 米報道
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【12月28日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は27日、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が同紙のインタビューに応じ、世界のスポーツ界を混乱に陥れた「組織的なドーピング」を初めて認めたと報じた。
モスクワ(Moscow)発の記事の中で、RUSADAのアンナ・アンツェリョビッチ(Anna Antseliovich)氏は「それは組織的な陰謀でした」とコメント。しかしながら、国家ぐるみで不正が行われていたことについては引き続き否定し、ロシア政府関係者は一切関与していないと主張した。
世界反ドーピング機関(WADA)は9日、カナダの法律家リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏によるロシアの組織的なドーピングを暴いた最新の調査報告書を公表している。
報告書の中でマクラーレン氏は、約30競技にまたがる1000人以上のロシア人選手が2014年のソチ冬季五輪、2012年のロンドン五輪などの国際大会で、同国スポーツ省主導による「組織的なドーピング」に関与していたと結論づけた。
マクラーレン氏による調査報告書を受け、不正行為が行われていたと指摘された期間にスポーツ相を務めていたビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相は、ロシアの国営タス通信(TASS)に対して「隠された策略など何もなかった」と反論している。
マクラーレン氏の調査報告書は、ロシアのスポーツ界に大きな打撃を与えている。同国の陸上選手は、リオデジャネイロ五輪への出場が禁じられ、冬季競技のスピードスケートとバイアスロンは国際大会の開催権返上を余儀なくされた。(c)AFP