野生のチーター個体数が激減、絶滅の危機高まる 報告書
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【12月28日 AFP】地上最速動物のチーターが、人的活動による生息地縮小の影響などから、その個体数が激減しており、絶滅の危機が一層高まっている。報告書がこのほど発表され、チーター保護のための緊急措置を呼びかけた。
報告書を発表した英ロンドン動物学会(ZSL)および米野生生物保全協会(WCS)によると、ジンバブエのチーターの生息数は過去16年間で85%以上減少しているとされ、イランでも個体数が50頭を切った。
米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表された同報告書は、国際自然保護連合(IUCN)が作成する世界の野生動植物の絶滅危機の度合いを示す「レッドリスト(Red List)」で、チーターを「危急種(Vulnerable)」ではなく「絶滅危惧種(Endangered)」に分類するべきと訴えた。
報告書の著者らは、野生個体数が世界に7100頭しか残っておらず、かつての生息域のわずか9%にしか存在していないことを指摘。これまでの推定では、20世紀初めの個体数は約10万頭だった。
報告書はまた、現在の生息地77%が保護区指定を受けておらず、特に人的活動の影響を受けやすいと説明。チーターへの最も大きな影響は、餌となる動物の人による狩猟、生息地の喪失、違法な体部位売買およびペットとしての取引だとした。(c)AFP