【12月25日 AFP】インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は24日、西部ムンバイ(Mumbai)沖の島に建立されるチャトラパティ・シバジ(Chhatrapati Shivaji)の像の礎石を置いた。完成すれば世界一の高さの像になるという。

 シバジは17世紀にイスラム国家ムガール帝国と戦い、マラーター王国を建国した人物。シバジ像の高さは192メートルとなる予定で、米ニューヨーク(New York)の自由の女神像(Statue of Liberty)の2倍、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のキリスト像(Christ the Redeemer)の5倍を超える。

 現時点で世界一高いとされる高さ128メートルの中国・河南(Henan)省の魯山大仏(Spring Temple Buddha)を上回り、世界で最も高い像となる。

 シバジ像建立はヒンズー至上主義者のモディ首相が長年温めてきたプロジェクトで、ムンバイ沖のアラビア海(Arabian Sea)に浮かぶ島に建てられる。

 ムンバイを州都とするマハラシュトラ(Maharashtra)州政府はシバジ像の建立費用を約360億ルピー(約620億円)と見込んでおり、2019年までの完成を目指している。

 しかし、政府は予算を像などではなくインフラ、教育、開発などに充てるべきだとしてこのプロジェクトを批判する人も多い。署名サイト「change.org」に立ち上げられたシバジ像建立計画の中止を求める請願には24日夜までに2万7000人が署名した。

 請願は「この像は資金の浪費というだけでなく、環境、ムンバイ南部の交通状況に悪影響を与えるもので、治安上の悪夢だ」としている。

 インドではグジャラート(Gujarat)州でも、インド独立後、初代内相に就任したサルダル・パテル(Sardar Patel)の像を建立するモディ首相肝煎りの計画が進められている。2014年に建設が始まったパテル像は完成すれば高さ182メートルとなり、建立費用は250億ルピー(約430億円)と見込まれている。(c)AFP