【12月23日 AFP】 中国は22日、周辺国と領有を争う南シナ海(South China Sea)の西沙諸島(英語名:パラセル諸島、Paracel Islands)にある永興(Yongxing)島(同:ウッディー島、Woody Island)行きの定期便運航を開始した。国営新華社(Xinhua)通信が報じた。永興島行き旅客機の第1便が同島の三沙(Sansha)市に着陸したという。

 中国は南シナ海をめぐって東南アジアの周辺国と主張が対立する中、戦略的に重要な海域のほぼ全域で領有権を主張。複数の礁で軍用機配備が可能な人工島化を急速に進めている。

 西沙諸島についてはベトナムと台湾も領有権を主張しており、永興島への定期便就航によって同海域での緊張はさらに高まりそうだ。

 三沙市は中国が2012年に設立した都市で、周辺海域と合わせて約200万平方キロとなる国内最大級の都市とうたう。今年5月には国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)が永興島一帯を「モルディブに匹敵する主要な観光スポット」とする中国政府の計画を報じ、中国政府も西沙諸島を訪れるよう国民に推奨している。(c)AFP