【12月23日 AFP】ドイツ首都ベルリン(Berlin)で、多数の死傷者を出したトラックによる襲撃事件から3日となる22日、現場となったクリスマス市が再開した。会場には、重い心を持ちながらも、恐怖に屈しないとの決意を抱いた来場者らが次々と訪れた。

 イスラム過激派とみられる容疑者が12人の命を奪った広場で、多くの山小屋風の露店が再び営業を始めた。周囲には新たにコンクリートのバリアーが設置され、自動小銃を抱えた警官らが警備に当たった。

 来場者の男性(24)は、「あのような襲撃事件の後だが、人々が心を強く持って前進している姿を見られてうれしい」と語った。

 当日は曇り空となったが、日没を迎えても人出は絶えず、数千人が会場に立ち寄った。悲劇の後、初めて仕事に戻った売り手側のスタッフが、涙を浮かべながら抱擁を交わす様子も見られた。

 ただし、犠牲者へ哀悼の意を表するとともに、負傷者への配慮もあり、BGMはなく、ライトアップも控えめにとどめられた。

 事件への関与が疑われるチュニジア人のアニス・アムリ(Anis Amri)容疑者(24)は現在も逃走中だ。同容疑者は同国で難民登録申請をしていたが、却下されていた。

 露店で働く男性はAFPの取材に対し、「音楽をかけていないのは、音楽は本来、喜びを表現するためのものだから」と語った。「われわれは怒り、何とか折り合いを付けようと頑張っている。あんなことが起こってしまった以上、常に脳裏にある」 (c)AFP/Marion PAYET