【12月22日 AFP】カンボジア当局は、違法取引のために木材貨物の中に隠されていた象牙や動物の体の部位、合わせて1.5トン分を押収した。野生生物保護団体と当局者が22日、明らかにした。貨物はモザンビークから中国へと輸送される途中だったという。

 密輸業者の取り締まりのため、当局に協力している国際野生生物保護団体「ワイルドライフ・アライアンス(Wildlife Alliance)」によると、首都プノンペン(Phnom Penh)郊外で16日、税関職員らが貨物コンテナの検査を行っていた際に摘発したという。

 アフリカゾウの象牙1.3トン分、チーターの頭蓋骨10点、動物の骨82キロ分、センザンコウのうろこ137キロ分が、希少な木材の陰に隠されていた。

 摘発が行われたカンダル(Kandal)にあるドライポートの税関当局は声明で、「あまりにも多くのゾウが犠牲になった大規模な事例だ。これらの動物のために正義を追求していく」と表明した。

 ワイルドライフ・アライアンスによると、事件の中心人物は、密輸業者として名の知られたベトナム人で、この人物の所在は今も明らかになっていないという。

 動物の体の部位は、特に中国やベトナムで需要があり、アフリカのゾウやサイといった多くの希少動物の個体数減少の一因になっている。(c)AFP