【12月22日 AFP】(更新、写真追加)ドイツの首都ベルリン(Berlin)でクリスマス市にトラックが突っ込み12人が死亡した事件で、検察当局は21日、関与が疑われる24歳のチュニジア人の男を指名手配した。男は同国で難民登録を申請していたが、却下されていた。

 指名手配されたのはアニス・アムリ(Anis Amri)容疑者。事件で使用された40トンの大型トラックの運転席から、同容疑者のものとみられる難民申請関係の書類が見つかっていた。

 連邦検察当局は、同容疑者が「暴力的で武装している恐れがある」としており、身柄の拘束につながる情報に10万ユーロ(約1200万円)の懸賞金をかけて行方を追っている。

 同容疑者はイスラム過激派とつながりがあるとされ、事件前に襲撃計画の疑いで捜査対象になっていたことが明らかになっており、事件をめぐり国民の怒りがさらに高まることは必至だ。

 ノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州のラルフ・イエーガー(Ralf Jaeger)州内相によると、テロ対策当局は直近で今年11月にもアムリ容疑者に関する情報を交換しており、同容疑者が「同州で重大な暴力行為」を計画している疑いで捜査が開始されていた。

 アムリ容疑者は2015年7月にドイツに入国したが、今年6月に難民申請を却下されていた。だが本国送還に向けた手続きは、同容疑者のチュニジア国籍保有の事実を長い間否定していた同国側の役所仕事によって滞り、必要書類がドイツ側に送られてきたのは今月21日、襲撃事件発生の2日後だった。(c)AFP