【12月21日 AFP】1980年代に一世を風靡(ふうび)した米ポップシンガーのリチャード・マークス(Richard Marx)さんが、大韓航空(Korean Air)機内で暴れる乗客を取り押さえようとする客室乗務員を手伝ったと明かし、乗務員らはこうした状況に対応する「訓練ができていない」と、ツイッター(Twitter)上で批判した。

 マークスさんによると、妻と共にベトナムのハノイ(Hanoi)から韓国の仁川国際空港(Incheon International Airport)に向かう飛行機に搭乗していた際、乗客の男が別の乗客や客室乗務員に暴力を振るい始めたという。

 マークスさんはツイッターに、その男を取り押さえようとした様子を捉えた数枚の写真と共に投稿し、客室乗務員たちは「全く訓練ができていない」とツイートした。

 モデルやテレビの司会を務めるマークスさんの妻、デイジー・フエンテス(Daisy Fuentes)さんもソーシャルメディアで、女性の客室乗務員全員が、テーザー銃の使い方を知らず、またロープで男を拘束する方法も分かっていなかったため「男を完全には制圧できなかった」と批判した。

 マークスさんによるとこうした状況が4時間も続き、他の男性の乗客らと一緒にマークスさんが介入し、この男をロープで拘束したという。

 男は仁川国際空港で警察に引き渡され、後に航空安全に関する法律に違反した罪と暴行罪で起訴された。

 マークスさんはフェイスブック(Facebook)でも、「こういった状況で乗客の介入なしに対処する方法を知らない大韓航空は、何かしらの制裁を受けるべきだ」とコメントしている。

 一方で大韓航空の広報担当者は、客室乗務員全員が安全に関する指導を受けており、今回の事態にも「指針に基づいて」行動し、「状況に最もふさわしい手段を取った」と説明した。(c)AFP