【12月21日 AFP】中国政府は21日、西アフリカの島国サントメ・プリンシペが台湾との外交関係の断絶を決めたことを歓迎する声明を発表した。ただし、中国とサントメ・プリンシペの外交関係樹立については言及していない。

 一方、台湾の李大維(David Lee)外交部長はサントメ・プリンシペの決定を強く批判し、台湾が拒否した「天文学的な」財政支援を得ようとしているだけと指摘した。

 李外交部長は記者会見で「有利な条件を求めて中国と台湾の間で揺れ動き、台湾とサントメ・プリンシペの約20年にわたる友好関係を無視した。サントメ・プリンシペ政府が無謀で非友好的な決定を下したことに深い遺憾の意を表明し、非難する」と述べた。「われわれは現実的な姿勢で外交に取り組んでいる。金銭を使った競争はしない」

 サントメ・プリンシペは1997年に台湾を正式に国家として承認し、中国との外交関係を断絶していた。

 サントメ・プリンシペとの断交により台湾と正式な外交関係を持つのはバチカン市国など21か国となり、アフリカでは2か国だけになった。

 中国と台湾の関係をめぐっては、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領が台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と電話会談を行ったことで緊張が高まっている。トランプ氏は、中国が貿易や外交政策などで譲歩しなければ、米国は「一つの中国」の原則を維持しない可能性があると示唆していた。(c)AFP