「ドゥテルテ大統領の殺人捜査を」 国連人権弁務官が比当局に要請
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【12月21日 AFP】国連(UN)のゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)人権高等弁務官は20日、フィリピン当局に対してロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領を殺人容疑で捜査するよう要請した。ドゥテルテ大統領はダバオ(Davao)市長時代に自ら犯罪者を殺害したことがあると豪語していた。
ゼイド氏は声明で「フィリピン司法当局は、法規範を順守し、政府の行政機関から独立していることを示すために殺人捜査を開始する必要がある」と指摘。「ドゥテルテ氏本人も認めているように、市長時代に自ら行ったという殺害は殺人に他ならない」と述べた。
ドゥテルテ大統領は今月12日、南部の都市ダバオで市長を3期(1988~2016年)務めた期間に、警察に手本を示すため犯罪容疑者を自ら殺害していたと公言した。
この発言は、実業家向けの会合のスピーチで自身が推進する麻薬撲滅運動について語っているときに飛び出した。ドゥテルテ大統領が今年6月30日に就任して以降、警察や身元不明の武装集団によって多数が殺害されており、国連はその数を6100人近くと推計している。
ドゥテルテ大統領は16日、英BBCの取材に対して、市長在任中に自分で「3人くらい」殺したとも語った。(c)AFP/Nina LARSON