【12月20日 AFP】内戦が続くシリアをめぐり、国連安全保障理事会(UN Security Council)は19日、激戦地となっていたアレッポ(Aleppo)に国連の監視団を早期に派遣する決議を全会一致で採択した。シリアと同盟関係にあるロシアの支持に回った。

 この決議では国連(UN)に対して、アレッポ東部と、包囲されているその他の地域の住民らの「退避に当たり、適切で中立な監視を行い、直接見届ける」ことを求めている。

 決議案はフランスが中心になって作成。これまでに31万人以上が犠牲になった5年に及ぶシリア内戦の終結に苦慮している主要国が、過去数か月で初めて意見集約に成功した形だ。

 フランスは16日に最初の草案を提出したが、これにはロシアが拒否権を行使する可能性をちらつかせていた。しかし18日に4時間近くの協議の末、妥協案で落ち着いていた。

 ただし、国連監視団が早期にアレッポ東部に入り、監視活動を行うのをシリア政府が認めるかどうかは依然として不透明だ。

 国連の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、国連の援助をたびたび妨害してきたシリア政府が監視団の立ち入りを許可するかどうかについて、5日以内に安保理に報告する。(c)AFP/Carole LANDRY