【12月20日 AFP】今月、パキスタンで国内最悪ともいわれる飛行機事故を起こしたパキスタン航空(PIA)が厄よけのために旅客機の隣で黒いヤギをいけにえとしてささげる儀式を行っていたことが分かり、嘲笑の的となっている。

 今月7日、PIAのATR-42型ターボプロップ機が同国北部の山岳地帯に墜落、炎上し、乗客乗員48人全員が死亡した。 

 いけにえの儀式が行われたのは18日。首都イスラマバード(Islamabad)の空港で儀式の様子を撮影した画像はインターネット上で拡散され、多くのソーシャルメディアユーザーの間で、PIAは安全基準より迷信を重視しているとしてひんしゅくを買った。

 あるツイッター(Twitter)ユーザーは、「ネタじゃなくてマジな話。これが、墜落事故を起こしたPIAにパキスタンが導入した新たな安全対策だ」とのメッセージを儀式の写真とともに投稿。別のユーザーは「(黒いヤギでは)飛行機は飛ばない。飛行機を飛ばすのは性能の問題だ」と皮肉交じりにコメントしている。また、英字紙ドーン(Dawn)は19日の第1面で「PIA、神頼み」との見出しを付けてこの一件を報じた。

 PIA の広報担当者は、いけにえの儀式が行われたことを認める一方で、儀式はATR型機の運航を再開する前に「感謝の印」として数人の職員が行ったもので、経営陣が了承していたわけではないと釈明した。

 PIAは事故を受け、詳細な調査の結果が出るまで同社が所有する残りのATR型機10機の運航を見合わせている。(c)AFP