【12月18日 AFP】アフリカ南東沖のインド洋(Indian Ocean)に位置するマダガスカルで、金鉱山の開発を予定していた中国企業が現地住民の激しい反発に直面し、空のテントとたばこの吸い殻を残してついに撤退した。

 中部ソアマーマニン(Soamahamanina)の小さな町はここ数か月、中国の産金業者ジウシン(Jiuxing)に対する抗議活動にのみ込まれてきた。ジウシンは面積7500ヘクタールの鉱区で40年間の金採掘免許を取得。これを受けて住民は毎週木曜日にデモを行い、鉱山の操業で農業が危険にさらされる恐れがあると主張した。

 これが一因となり、新たに押し寄せている中国出資者らへの反感がマダガスカル全土に広がった。中国はマダガスカルにとって最大の貿易相手国であるものの、中国の存在感が高まりつつあることへの嫌悪感が、ソアマーマニンだけでなく全国各地で公然と示されるようになった。

 中国は天然資源の確保を目的にアフリカにおいてビジネス面で存在感を拡大し、市場には中国製品があふれている。こうした状況を背景に、アフリカでは反中感情が高まりつつある。(c)AFP/Tsiresena MANJAKAHERY