モイーズ監督「話が違う」 低迷するサンダーランドの現状嘆く
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【12月18日 AFP】16-17シーズンのイングランド・プレミアリーグで、降格圏での戦いが続くサンダーランド(Sunderland AFC)のデビッド・モイーズ(David Moyes)監督が、クラブの財政状況がここまで悪いとは知らなかったと嘆いている。7月に就任したモイーズ監督は、クラブの偽りの姿に釣られたと考えているようで、売却を検討している現状を把握していれば打診を断っていたかもしれないと明かした。
マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)を率いた経歴も持つモイーズ監督によれば、米国人オーナーのエリス・ショート(Ellis Short)氏は、クラブ売却の意思を当初は明らかにしておらず、移籍市場で新戦力を獲得するという約束もほごにしたという。
16節終了時点でサンダーランドは最下位に低迷し、主力数人をけがで欠く苦しい状況にある。このままでは残留が難しいのは、モイーズ監督自身も承知しているが、その原因はクラブの上層部にあると考えているようだ。
17日付の英紙デーリー・メール(Daily Mail)でモイーズ監督は、「サンダーランドは以前から魅力的なクラブだと思っていたが、内情を知っていれば、別の見方をせざるを得なかったはずだ」と語っている。
「オファーについてもっとよく考えただろう。なぜなら、結局のところ私の望みはプレミアリーグで指揮を執ることなのだから。クラブに売却の可能性があるなんて知らなかったし、事前に知らされもしなかった。来年1月に使えるお金がないなんて思わなかった」
「夏にもこう思ったんだ。他のクラブや私がオーナーに伝えた額よりも補強資金が少なすぎるとね。当時はそのとき限りの話で、次の移籍期間になんとかすればいいと思っていた。しかし、現実は違った」
「このままでは冬の移籍市場で選手を獲得できないし、戦力を上積みすることもできない。がっかりだ」
サンダーランドは過去2シーズン、劇的な形でなんとか降格を免れてきた。モイーズ監督も、3季連続となる残留圏内への滑り込みを狙っており、指揮官を辞任するつもりはない。
「ここを離れる考えは持っていない。選手が強い意志と、自分たちの力に自信を持っているのを知っている。だからこう考えるようにしているよ。『私はここへ仕事をしに来た。そしてその最初の仕事は残すことだ』とね」
「ほかの監督にできたのだから、私もやらなくてはならない。しかし、私の仕事の方が少しばかり困難だ」
その後、17日に行われたワトフォード(Watford FC)戦で、サンダーランドはパトリック・ファン・アーンホルト(Patrick van Aanholt)の得点を守り切って貴重な1-0の勝利をもぎ取り、最下位から脱出した。(c)AFP