中国、米海軍の無人潜水機返還へ 米の「大げさな」対応を批判
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【12月18日 AFP】中国政府は17日、米中間の緊張が高まる中、南シナ海(South China Sea)で米海軍の無人潜水機を奪った件について米政府が「大げさに騒ぎ立てている」と批判し、潜水機は返還すると述べた。
米国防総省によると、無人潜水機は15日夜、フィリピンのスービック湾(Subic Bay)の北西約50カイリ(約90キロ)沖で中国に奪われた。同省は声明で「違法に奪取された」潜水機を直ちに返還するよう中国政府に要求していた。
中国国防省は17日声明を発表し、米海軍の無人潜水機を「適切な方法で」返還すると述べたが詳細については言及せず、「米国側がこの件について大げさに騒ぎ立てることは適切ではなく、問題の迅速な解決に役立たない」と述べた。
また中国としては南シナ海での米国の偵察活動に「強く反対する」と述べて米政府に活動停止を要求したことを明らかにし、「(偵察活動の)対抗策として必要な措置を取る」と述べた。
今回の件は米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領が米政府が長年取ってきた台湾政策に疑問を呈し、また中国政府が為替操作を行っていると批判したり、中国からの輸入品に報復関税をかけるなどと脅したりする発言を繰り返す中で起きた。
南シナ海では周辺諸国がそれぞれ領有権を主張し緊張が高まっている。中国は自国の領有権を強化する目的で岩礁や小島を利用して大規模な人工島を建設している。
米国は南シナ海で各国が主張する領有権についての立場を示していないが、海洋に関係する主張はすべて国際法に沿ったものでなければならないと繰り返し強調してきた。米軍は、中国が領有権を主張する海域付近で艦船や航空機を通過させる「航行の自由」作戦を実施してきた。(c)AFP