【12月17日 AFP】米大リーグ(MLB)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)に復帰したアロルディス・チャップマン(Aroldis Chapman)投手は16日、悲願のワールドシリーズ制覇を果たしたシカゴ・カブス(Chicago Cubs)での、ジョー・マッドン(Joe Maddon)監督の起用法に不満を抱いていたことを明らかにした。

 クリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)とのワールドシリーズ第7戦で、カブスは8回から登板したチャップマンが相手に2点本塁打を許して同点に追いつかれた逆境を跳ね返し、タイトルを手にした。

 前日のシリーズ第6戦でも、カブスは剛腕チャップマンを8回から投入し、7点リードの9回まで続投させており、ヤンキースと新たに5年総額8600万ドル(約101億円)で正式契約した同左腕は、その記者会見の席で、「個人的には、彼の起用法には賛成できなかった。しかし、彼が監督で戦略がある」とコメントした。

「自分の仕事は準備して、投球に備えることだ。たとえそれが、どれほどのイニングであろうとも準備して、試合に出て仕事をこなしていかなければならない」

 その一方でチャップマンは、マッドン監督の起用法に「疲れた」と告白。1908年から遠ざかっていたカブスのタイトル獲得に向けて、同選手はシリーズ第5戦でもマウンドに上がり、最後の2回3分の2を投げ切った。

「数試合に登板したが、中でも第6戦のことが気にかかっている。あの試合については(ワンサイドの展開で)、9回まで自分に投げさせる必要はなかった。翌日は疲労が残っていた」と明かしたチャップマンだったが、そのときの懸念についてマッドン監督に訴えることはしなかったという。

「登板を任されたら、自分は試合に出て投げることが仕事だ」

 28歳のチャップマンはヤンキースとカブスに所属した昨季、レギュラーシーズンでは計59試合に登板し、4勝1敗36セーブ、防御率1.55を記録したほか、計58イニングを投げて90三振を奪った。さらに、ポストシーズンでは計13試合で2勝0敗4セーブ、防御率3.45を記録した。

 今年7月にヤンキースからカブスにトレードされたチャップマンは、フリーエージェント(FA)でニューヨーク(New York)に復帰。恋人への家庭内暴力(DV)疑惑で昨季は開幕から30試合出場停止となっていたが、罪に問われることはなかった。(c)AFP