【12月15日 AFP】スペインの警察当局は14日、国際電話を使った組織的な詐欺行為に関与し、中国国内の人々から1600万ユーロ(約19億7000万円)以上をだまし取ったとして、中国国籍の200人以上を逮捕したと発表した。

 スペイン警察のイーロイ・クイロス(Eloy Quiros)氏は記者会見で、被害に遭った中国国民は数千人におよび、そのほとんどが貧しい家庭だと明かした。被害者の中にはささやかな蓄えを奪われ、自殺した人も複数いるという。

 詐欺グループは隣人や友人、家族を装って中国に電話をかけ、詐欺に注意するよう警告。その後、詐欺事件を捜査している警察官のふりをして電話をし、捜査に協力するためとしてグループの口座に金を振り込ませていた。

 スペイン警察は中国当局とも協力して、マドリード(Madrid)やバルセロナ(Barcelona)、アリカンテ(Alicante)の周辺の高級住宅街にある豪邸で運営されていた、詐欺グループのコールセンター13か所を摘発したという。

 スペインでは中国からの移民が国内で5番目に大きな外国人コミュニティーを形成しており、国の統計によると2015年時点でおよそ17万人が居住している。(c)AFP