【12月14日 AFP】(更新、写真追加)シリア第2の都市アレッポ(Aleppo)東部で14日、激しい戦闘が勃発し、反体制派支配地域から市民と戦闘員を避難させるとした合意が履行されないままとなっている。

 アレッポから反体制派が撤退するとの合意が前日夜に発表された後、同市では家族を連れた人々が市内からの脱出を期待して、14日の早朝から集合していた。だが、現地時間の午前5時(日本時間同日正午)に予定されていた第1陣の出発が延期されると、数時間後には激しい戦闘が再び始まった。

 数年にわたる戦闘の後、反体制派の抵抗に終止符を打つはずだった画期的な合意の行方は、政権と反体制派、さらにそれぞれの同盟勢力が非難合戦を繰り広げる中、不透明さを増している。

 アレッポ東部に残る反体制派の支配地域では、取材に当たるAFP特派員が複数の負傷した市民を目にした他、周辺地域は戦車による激しい砲撃に見舞われていると伝えている。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、反体制派支配地域で空爆が実施されたと発表し、「前線では激しい衝突が繰り広げられている」と述べた。

 一方でシリアの国営放送は、反体制派が政権側の支配地域に向けたロケット弾の発射を再開し、少なくとも7人が死亡したと報じている。

 政権に近い情報筋および反体制派がAFPに明らかにしたところによると、市民と戦闘員を反体制派の支配地域から避難させるとしていた合意は、シリア政府からの異議により留保された。また、この情報筋によれば、反体制派が退避者の人数を2000人から1万人へと増やす意向を示したところ、シリア政府が拒絶したという。(c)AFP/Rim Haddad and Karam al-Masri