【12月14日 AFP】(訂正)リビア沖の地中海(Mediterranean Sea)で2015年4月、定員をはるかに超える数の難民らを乗せた船が沈没し約900人が死亡した事故で、イタリアのシチリア(Sicily)島カターニア(Catania)の裁判所は13日、船長だったとされるチュニジア国籍のモハメド・アリ・マレク(Mohammed Ali Malek)被告に対し、過失致死などの罪で禁錮18年の有罪判決を言い渡した。

 被告は過失致死罪のほか人身売買の罪、救援に来た貨物船と衝突して難民船を転覆させ事故を引き起こした罪について有罪と判断された。マレク被告と共に船の操縦をしていたとして起訴されたシリア国籍のマフムード・ビキト(Mahmud Bikhit)被告にも、禁錮5年の有罪判決が下された。

 両被告にはさらに、賠償金としてそれぞれ900万ユーロ(約11億円)の支払いも命じられた。

 両被告は、自分たちも難民であり、密航組織から船のかじ取りを命じられただけだと主張。一方生存者らは、イタリアに居住歴があるマレク被告が船を操縦し、貨物船と衝突したのは同被告の操縦技術不足が原因だと捜査当局に証言していた。

 この海難事故は地中海では第2次世界大戦(World War II)以降最悪とされ、イタリア当局は腐乱した遺体の一部をより分けて犠牲者数を確認するのに数か月を要した。(c)AFP