中年期の問題個人、幼少期の検査で特定可能か 研究
このニュースをシェア
【12月13日 AFP】子どもの知能、運動能力、問題行動などを3歳時に検査することで、中年期に刑務所に入ったり、養育義務を果たさない父親になったりする恐れがある個人を特定できるとした、長期的研究をまとめた論文が12日、発表された。
小児期早期の不自由による社会的コストを評価した今回の研究によると、この結果は、リスクのある年少の子どもに対して、逮捕記録に載ったり薬物中毒に陥ったりする前に支援の手を差し伸べることを可能にするものだという。
困難な状況に生まれた少数の人々によって発生する社会への負担について、それを測る別の具体的な尺度が、今回の研究では明らかにされた。
英科学誌「ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア(Nature Human Behaviour)」に発表された研究結果は、同程度の所得不平等度と社会的セーフティーネットを持つ他の富裕社会にも適用できる可能性がある。
論文の主執筆者で、米デューク大学(Duke University)のアブシャロム・カスピ(Avshalom Caspi)教授(精神医学・神経科学)は「社会問題によって発生する最大のコストは、少数の階層の人々に集中している」と指摘。「子どもの不利点や、特に『脳の健全性』を評価することで、3歳で始まるこの傾向をかなり正確に予測できる」と声明で述べている。
1000人を対象とした長期の研究では、対象者が3歳から38歳までの間にさまざまな評価調査を実施した。その初回の調査では、知能指数(IQ)と言語・運動能力を測定し、欲求不満に対する耐性、落ち着きのなさ、衝動的な行動などの度合いに応じて対象者の子どもたちを評価した。