米共和党、ロシアの米大統領選干渉報道を否定 民主党は調査要求
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【12月11日 AFP】(更新)米共和党は10日、米中央情報局(CIA)の秘密調査により、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を当選させるためロシアが米大統領選に干渉していたことが分かったという報道を否定した。一方民主党所属の上院議員は疑惑の全容調査を呼び掛けた。
共和党全国委員会(RNC)の広報、ショーン・スパイサー(Sean Spicer)氏は米CNNに対し「その情報は間違っている。それ(ロシアによる大統領選干渉は)は起こらなかった」と語った。
スパイサー氏の発言は、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が米国の情報当局の話として、ロシアのハッカーが民主党と同様に共和党全国委員会のコンピューターシステムにも侵入したものの、民主党から得た情報だけを暴露したことに「強い確信を持っている」と報じたことを受けたもの。
9日に米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が報道各社の先陣を切って伝えたCIAの報告書についての報道をトランプ次期大統領周辺は強く非難した。トランプ次期大統領の政権移行チームは「これらはサダム・フセイン(Saddam Hussein)は大量破壊兵器を持っていると言っていたのと同じ人たちだ」と指摘し、CIAを強烈に批判した。
政権移行チームはまた「大統領選が歴史上最大級の選挙人団(Electoral College)数を獲得して終了してから、すでに長い時間が経過した。今こそ『アメリカを再び偉大にする』ために前進するときだ」と語った。
しかし議会民主党は共和党の否定を退け、来年1月に上院院内総務に就任する民主党のチャールズ・シューマー(Charles Schumer)上院議員は、議会で調査を行うべきだと主張した。
シューマー上院議員は10日に発表した声明で、「いずれかの国がわが国の選挙に干渉することが可能だとなれば、民主・共和両党は根底から揺さぶられる」「議会で全容調査を行うために、情報当局は直ちに関連情報を引き渡さねばならない」と述べた。