【12月10日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は、政府の情報機関に対し、今年の米大統領選期間中に発生し、ロシアの関与が疑われているサイバー攻撃の全貌を調査するよう指示した。ホワイトハウス(White House)が9日、明らかにした。

 リサ・モナコ(Lisa Monaco)大統領補佐官(国土安全保障・テロ対策担当)は、米紙クリスチャン・サイエンス・モニター(Christian Science Monitor)主催の朝食会で、「オバマ大統領は情報当局に対し、2016年の大統領選期間中に起きた出来事に関する徹底調査を指示した」と述べた。

 オバマ氏は、大統領職を共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に引き継ぐ来年1月20日までに調査結果の報告を受けることを期待しているという。

 今年の米大統領選では、投票日の数か月前から民主党全国委員会(DNC)や民主党候補ヒラリー・クリントン(Hilary Clinton)陣営のジョン・ポデスタ(John Podesta)選対本部長のメールがウィキリークス(Wikileaks)を通じて次々に流出し、クリントン氏側に打撃を与えた。

 投票日の約1か月前に当たる10月7日、国土安全保障省と国家情報長官は声明を発表し、「最近発生した米国の個人や政治団体を含む機関の電子メール漏えいは、ロシア政府が指示していた」「これらの窃盗や流出は、米大統領選の過程を妨害する目的で行われたものだ」と断じていた。(c)AFP