【12月9日 AFP】トルコのテレビ番組に出演している外国人シェフは、潜入活動中のスパイだ――。レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の経済顧問がこんな発言をし、物議を呼んでいる。

 イイート・ブルト(Yigit Bulut)大統領顧問は7日夜、政府寄りのテレビ局Aハベル(A Haber)とのインタビューで「先日、テレビ番組を見ていたら、英国人とイタリア人が村々を訪ね歩き、その場で調理をしてみせては、アナトリア(Anatolia)地方の名物料理を紹介していた」と紹介。「なぜ、英国人やイタリア人がアナトリアやトラキア(Thrace)をうろつく必要があるんだ? 何が目的だ? 情報を集めているに違いない!」とぶちまけた。

「トルコ国民はだまされやすい。ドアを開けて彼ら(外国人シェフ)を迎え入れ、秘伝のあれこれを明かしたうえ、あそこには空軍基地がある、あちらには弾薬庫が、などと口にして、村への行き方や帰り方まで教えている」

 ブルト氏は、人々に警戒するよう呼び掛けた上で「これは陰謀説でもなければ、話を誇張しているわけでもない」と主張した。

 ブルト氏は元ジャーナリストで、2013年に当時首相だったエルドアン氏の顧問に就任。2014年8月の大統領選挙を受けてエルドアン氏が大統領となった後も、側近を務めている。(c)AFP