ドイツ公共放送、難民少年のレイプ殺人報道控え非難殺到
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【12月8日 AFP】ドイツで女子医学生(19)をレイプして殺害した容疑で難民申請中のアフガニスタン人少年(17)が逮捕された事件について、反移民感情をあおるとの懸念から報道を控えたドイツ公共放送ARDに批判が殺到している。
ARDは3日、夜のニュース番組「ターゲスシャウ(Tagesschau)」でアフガン少年逮捕のニュースを報道しないことを決めたが、これについてインターネット上では膨大な批判が巻き起こった。
こうした批判に対しARDのカイ・グニフケ(Kai Gniffke)ニュース担当部長は、番組内の国内ニュースでは「個人による犯罪事件を報道することは非常にまれ」であり、「社会、国内、海外」の分野で適切と判断した出来事を主に扱っていると説明した。
しかしソーシャルメディア上では、「ポリティカル・コレクトネス(政治・社会的な公正さ)」の立場を維持したいとの思惑や、政府のリベラルな移民政策に否定的なイメージを与えるとの懸念から事件を故意に無視したとの番組批判は収まっていない。
ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は2015年におよそ90万人、16年にはさらに30万人の難民・移民を受け入れてきたが、これに関する評価は敬意と厳しい批判とに割れている。(c)AFP