インドネシアの地震、死者25人に 数百人が負傷か
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【12月7日 AFP】(更新、写真追加)米地質調査所(USGS)によると、インドネシア・スマトラ(Sumatra)島北端のアチェ(Aceh)州で7日午前5時3分(日本時間同7時3分)ごろ、マグニチュード(M)6.5の強い地震が発生した。この地震でこれまでに25人が死亡し、この他に数百人が負傷したとみられている。
最も被害の大きかったピディエ・ジャヤ(Pidie Jaya)地区の当局者によると、この地区で唯一の病院には多数の負傷者が詰め掛けて受け入れ能力を超えたため、病院前の屋外で手当てを行っており、一部の負傷者は近隣地区に送ったという。死亡者の中には少なくとも7人の子どもいた。この他に大勢の人が骨折などのけがをした。
地震でモスクや住宅、商店が倒壊した。被災地からの写真は被害の大きさを伝えている。ハスビ・ジャヤ(Hasbi Jaya)さん(37)は、地震が起きた時は家族全員が眠っていたと語った。「私たちはすぐに家の外に出ましたが、家は倒壊しました。屋根から床まですべてが崩れました」「周囲を見回すと、近所の家もすべて完全に倒壊していました」
数十人ががれきの下敷きになっているとみられており、当局は重機を出して救出に当たっている。
震源はスマトラ島の小さな町Reuleuetの北10キロで、震源の深さは浅かった。USGSは当初マグニチュードは6.4で、死傷者やその他の被害が出る可能性は低いとしていたが、その後マグニチュードを6.5に修正し、死傷者などの被害が出る恐れがあるとして「イエロー・アラート」を出した。USGSは「ある程度の死傷者と被害が出る可能性がある。被害は比較的狭い範囲に限られるだろう」としている。
津波注意報は出されなかった。アチェ州は地震が多いところで、2004年のインド洋大津波では大きな被害を受けた。
今回の地震は夜明け頃に発生した。地元当局者によるとアチェ州の住民の多くはイスラム教徒で、地震発生時には朝の礼拝の準備をしている人たちもいた。
地震学者らによると、この地震の揺れはアチェ州の広い範囲で感じられた。気象当局の現地責任者は、少なくとも5回の余震が起きたと述べた。
アチェ州の沿岸の町シグリ(Sigli)では津波を恐れた住民らが慌てて家を出て、内陸の方向に避難した。
環太平洋火山帯(Pacific Ring of Fire)にまたがるインドネシアは地震や火山活動が多く、今年6月にスマトラ島の西の沖合で起きたマグニチュード6.5の地震では多くの建物が被害を受け、8人が負傷していた。(c)AFP/Chaideer Mahyuddin