香港金融街に虹色の獅子像、LGBTアートに保守派猛反発
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【12月7日 AFP】中国・香港(Hong Kong)の金融街で、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)と呼ばれる性的少数者への支持を示すため有名な高層ビルの前に設置された虹色の獅子像について、同性愛に反対する人々から「不快」だといった批判の声が上がっている。
この1対の獅子像は、同市の名所となっている英金融大手HSBCのビル前に登場した。その横には、同行が1935年に設置した2体のブロンズの獅子像が並んでいる。
獅子は中国文化において権力の象徴であり、HSBCを見守ってきたブロンズ像は香港の繁栄を示すシンボルともなってきた。
虹色の獅子像を手掛けたのは、地元アーティストのマイケル・ラム(Michael Lam)氏。HSBCが展開する「Celebrate Pride, Celebrate Unity(プライドをたたえよう、団結心をたたえよう)」キャンペーンの一環として、LGBTのシンボルである虹色のペイントを行った。
だがこの作品は保守派の怒りを買い、複数の団体が撤去を求める請願運動を開始。請願書では、同作品は「多くの香港人に不快感を与えるだけでなく、既存の家族観を踏みにじるものでもある」と主張している。
この運動の発起人は、反同性愛を標榜している黄偉明(ロジャー・ウォン、Roger Wong)氏。黄氏の息子は、香港選挙制度の民主化を求めた大規模デモ「雨傘運動(Umbrella Movement)」の学生指導者の一人、黄之鋒(ジョシュア・ウォン、Joshua Wong)氏だ。
香港ではLGBTの権利向上運動が開花している一方で、こうした運動を「反家族的」だとする保守団体からの反発も頻繁に起きている。(c)AFP/Elaine YU