戦時下での拷問、容認急増 赤十字国際委の意識調査
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【12月6日 AFP】赤十字国際委員会(ICRC)は5日、戦時下では拷問を容認するとの考えがここ十数年で急増したことを示す大規模な意識調査の結果を発表した。拷問に全面的に反対だとした人の割合は半分以下だった。
16か国の1万7000人以上を対象に行った調査によると、回答者の大半が戦争は国際法によって制限を受けるべきで、人口密集地域や病院、医療従事者への無差別爆撃は禁じられるべきとの考えを示している。
しかし、重要な軍事情報を得るために敵側の戦闘員を拷問するのは間違っているとの回答は48%にとどまり、36%が拷問は容認できる、16%が分からないとした。
1999年に実施された同様の調査では、66%の回答者が拷問を行うのは明らかに間違っていると回答。拷問はやむを得ないと答えた割合は28%、分からないは6%だった。
ICRCとして過去最大規模となった今回の調査は、今年6~9月にかけて、イラクやナイジェリア、南スーダンといった紛争継続中の10か国と、国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国(P5)──米国、中国、フランス、ロシア、英国──とスイスを合わせた計16か国で実施された。
調査ではまた、戦時下で民間人が死傷するのは避けられないと考える人の割合が、紛争継続中の国々よりも、常任理事国の5か国ではるかに多くみられた。
例えば、多数の民間人に犠牲が出る恐れがある人口密集地で敵の戦闘員を攻撃するのは間違っていると考える人の割合は、紛争国では78%だったのに対し、常任理事国5か国では50%だった。(c)AFP/Nina LARSON