ブラッター氏、最後の抵抗かなわず CASが訴えを棄却
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【12月6日 AFP】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は5日、国際サッカー連盟(FIFA)から科されている6年間の資格停止処分の撤回を求めたジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前FIFA会長の訴えを棄却した。
自身の潔白を証明する最後の抵抗がかなわなかった80歳のブラッター氏は、FIFAトップの座を追われる原因となった欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)前会長への200万スイスフラン(約2億2600万円)の支払いについて、CASから「不正な報酬」であり法的根拠はないとみなされた。
ブラッター氏はこの裁定を「理解できない」としながらも、自身の汚名を晴らす道が断たれたことを認識。AFPの取材に対し、これで自身最後になるとみられる裁判を振り返りながら、「スイスの裁判所に上訴するつもりはない」とコメントした。
2011年に行われたプラティニ氏への支払いは、それより10年前の業務報酬として契約書も交わされておらず、両氏の失脚につながっることになった。ブラッター氏の後任として有力候補に挙げられていたプラティニ氏もまた、処分撤回を求める訴えが何度も退けられている。
ブラッター氏はまた、自身の報酬に加えて2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)と2022年W杯カタール大会(2022 World Cup)の開催地決定をめぐって、スイス検察当局から調査対象になっており、さらなる窮地に直面する可能性も残されている。
■「不正な報酬」
また今回、支払いは「口頭での契約」に基づくものだったとする両氏の主張が、CASの裁定で棄却されたことにより、ブラッター氏はさらに5万スイスフラン(約560万円)を支払わなければならなくなった。
CASは今回の裁定で、1999年にプラティニ氏とFIFAが交わした雇用契約書があるため、1998年に年間100万スイスフラン(約1億2300万円)を支払うとする両氏の口頭契約を無効とみなし、「2011年に報酬の残金としてプラティニ氏に支払われた200万スイスフランが、口頭での契約に基づくものであると認めたことにより、ブラッター氏はFIFAの倫理規定に違反した」と述べた。(c)AFP/Eric BERNAUDEAU