【12月6日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のフランスGP(France Grand Prix)が、2018年シーズンから10年ぶりに同国南部ル・カストレ(Le Castellet)のポール・リカール・サーキット(Paul Ricard Circuit)で復活を果たすことになった。大会主催者が5日、発表した。

 プロバンス・アルプス・コートダジュール地域圏 (PACA)のクリスチャン・エストロジ(Christian Estrosi)議会議長は、1906年に初開催されたGPレースを支援したフランス自動車クラブ(ACF)の本部パリ(Paris)で記者会見に臨み、「フランスGPが復活します」と宣言。待望のレース日程は、ベルギーGP(Belgium Grand Prix)とイタリアGP(Italian Grand Prix)が開催されている、8月下旬か9月上旬頃になる見通しとなっている。

 ハース(Haas)に所属するフランス人ドライバーのロマン・グロージャン(Romain Grosjean)は、早速このニュースを歓迎し、「フランスのファン全員にとって、本当にスーパーハッピーなことだ。母国GPで僕たちを応援しに来てくれるのだからね」とコメントした。

 当時フェラーリ(Ferrari)のマシンを駆っていたフェリペ・マッサ(Felipe Massa)が、ヌヴェール・マニクール・サーキット(Nevers Magny-Cours racetrack)を制した2008年を最後に、国や地元自治体が大規模な負債を抱えてF1カレンダーから消滅していたフランスGPは、アラン・プロスト(Alain Prost)氏が活躍した時代の1971年から1990年まで、ポール・リカール・サーキットでは計14回開催されていた。

 エストロジ議会議長は、「1990年に失ったフランスGPが、今度は南仏プロバンス(Provence)に戻ってくる。これは、この地域の特権だ」という認識を示しており、ポール・リカール・サーキットの株主も2002年以降、これまで8000万ユーロ(約98億円)を投資して開催準備を整えてきた。

「このサーキットは、知名度も評判も高い」と明言した同議会議長はまた、レース開催費用について、独立監査による試算では3000万ユーロ(約37億円)になると明かし、そのうち自治体が1400万ユーロ(約17億円)を負担し、残りは収益で賄うとしている。さらに、国際会計事務所デロイト(Deloitte)が行った会計報告書の数字を引用し、「地元には6500万ユーロ(約80億円)の経済効果が見込まれる」と述べた。(c)AFP