【12月4日 AFP】米大統領選に緑の党(Green Party)から立候補していたジル・スタイン(Jill Stein)氏は3日、共和党候補だったドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領が小差で勝利した3州のうち、ペンシルベニア(Pennsylvania)州で求めていた票の再集計の請求を取り下げた。

 スタイン氏はペンシルベニア州の裁判所に提出した文書の中で、再集計を求めているのは普通の市民たちであり、裁判所が求めている100万ドル(約1億1300万円)の納付は困難だと語った。

 その一方でスタイン氏は、大統領選の票集計について「正確性、信頼性、公正性を検証するためあらゆる手を尽くして闘う」と宣言し、ニューヨーク(New York)のトランプタワー(Trump Tower)を出発点とする抗議デモを5日に行うと明らかにした。

 スタイン氏は、民主党候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏に小差でトランプ氏が勝利したペンシルベニア、ミシガン(Michigan)、ウィスコンシン(Wisconsin)の3州で票の再集計を求める運動を開始。スタイン氏のウェブサイトによると、これまでに再集計費用として700万ドル(約7億9000万円)近くを集めていた。

 しかしトランプ氏側の中止要求によってペンシルベニア州の再集計請求は難航。ミシガン州では州司法長官が同州での再集計を求めるスタイン氏の動きを止めるため訴訟を起こし、ウィスコンシン州でもトランプ氏支持者らが再集計を阻止する動きに出ている。

 専門家らによれば再集計によって大統領選の結果が覆る可能性は事実上ない。しかし、トランプ氏勝利の正当性をめぐる論争が再燃する可能性はある。(c)AFP