【12月4日 AFP】ブラジル南部の小さな町シャペコ(Chapeco)で3日、降りしきる雨の中、先日発生したチャーター機の墜落事故で犠牲となった同地を拠点とするサッカーチーム、シャペコエンセ(Chapecoense)に所属したメンバーの告別式が営まれた。

 わずか10日前まで、ファンを魅了していたチームのスタジアムには、満員の市民が駆けつけ、ピッチに横たえられた50人に及ぶ選手、コーチそしてスタッフのひつぎに悲痛な祈りをささげた。

 3日の朝にコロンビアから母国に帰還を遂げた犠牲者のひつぎは、緑と白のチームフラッグがかけられ、悪天候の中、葬列をなしたファンに見送られながら、町の中をゆっくりと進んだ。

 町の人口の約半分とされる10万人の人々があふれかえることも想定されたこの日、兵士がスタジアムにひつぎを運び入れる中、1万9000人収容の会場に入れなかった市民のために、会場の外には巨大なスクリーンも設置された。

 71人が死亡した今回の事故で、地元の小さなクラブが栄光を目前にしてそのおとぎ話の終わりを迎え、シャペコの町は悲しみに暮れている。

 チームのバナーをまとい、10歳の娘と葬列をつくった男性は、目を真っ赤にしながら、「雨が降っていようが、晴れていようが、毎試合見に来ました。私たちの夢は、ついに現実になろうとしていました。本当に近づいていたんです」と、言葉を絞り出す。

「シャペコが今回のことを乗り越えるには、長い時間がかかるでしょう。でも、これからもスタジアムに足を運び続けようと思います」