【12月3日 AFP】電子機器生産を請け負う世界最大の企業グループである台湾の鴻海科技集団(フォックスコン、Foxconn)の元幹部が、中国でスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」5700台を盗み横流ししておよそ156万ドル(約1億8000万円)の利益を得ていたとして起訴された。台湾の新北市(New Taipei City)の検察当局が2日、明らかにした。

 フォックスコンは米アップル(Apple)やソニー(Sony)などの国際的なブランドの電子製品の組み立てを請け負っており、中国全土にある工場では約100万人の従業員が働いている。

 検察当局によれば、台湾人の元幹部は中国南部の深セン(Shenzhen)にあるフォックスコンの工場の検査部に勤務していた当時、8人の従業員に「iPhone 5」と「iPhone 5S」数千台をこっそり持ち出すよう指示していたという。

 元幹部および共犯関係にあった従業員たちは、2013~2014年にかけて、本来は廃棄処分になるはずの検査用のiPhoneを、深センで売りさばき、5000万台湾ドル(約1億8000万円)近い利益を得ていたとみられている。

 フォックスコンは内部調査を経て事件を台湾当局に通報。元幹部は台湾に戻った後に取り調べを受け、現在は釈放中。検察当局によれば、元幹部は背任の罪に問われ、最高10年の懲役刑を科される可能性がある。(c)AFP