薬価50倍つり上げの元CEO、薬の生成に成功した高校生をからかう
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【12月2日 AFP】AIDS(エイズ、後天性免疫不全症候群)患者向け感染症治療薬を50倍も値上げして物議を醸した米製薬会社チューリング・ファーマシューティカルズ(Turing Pharmaceuticals)の元最高経営責任者マーティン・シュクレリ(Martin Shkreli)氏が、同薬の活性成分を安価で生成することに成功したオーストラリア・シドニー(Sydney)の高校生たちをからかうような発言を連発した。
シュクレリ氏はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者といった、免疫システムが低下している患者に用いられる寄生虫感染症治療薬「ダラプリム(Daraprim)」の権利を買い取り、薬価を1錠13.50ドル(約1500円)から同750ドル(約8万5000円)へと引き上げたことで世界的な嫌われ者となった。
それを知った高校生らは、ダラプリムを自分たちでつくり出そうとの思いに駆られたという。高校生の1人、ジェームズ・ウッド(James Wood)さんによると、ウッドさんと友人たちは、シドニー大学(University of Sydney)の化学者たちの助言を得ながら、わずか20ドル(約2300円)の費用で実験を開始し、何千ドルもの価値に相当する結果を出した。
だが、シュクレリ氏は活性成分ピリメタミンの生成に成功した生徒たちについて、ツイッター(Twitter)で皮肉を連発。「人件費や設備費用は?」「物理化学者をただで働かせられるなんて知らなかった」「薬をつくるなら高校生を使うべきだな」とツイートしたほか、「研究室の設備を無料で使えるのなら、なぜ自分は設備を購入しなければならなかったんだろうな」「先生たちが命令すれば、彼らはただで働いてくれるんだな」とからかった。(c)AFP