小池百合子都知事のファッションポリシー
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【12月1日 MODE PRESS】毎年恒例のイベントとなっている第45回「ベストドレッサー賞(Best Dresser Awards 2016)」が発表された。俳優の菅田将暉(Masaki Suda)や女子レスリングの伊調馨(Kaori Icho)選手など、華やかな顔ぶれが並ぶ中、「政治部門」と「ウールマーク賞(Woolmark Award 2016)」のダブル受賞を堂々果たしたのは、東京都の小池百合子(Yuriko Koike)知事だ。
この賞は“ファッションはライフスタイルである”との考えから、服装のセンスのみならず、生き方そのものが評価の対象とされている。今夏、女性初の東京都知事に就任して以来、つねにその動向がメディアで報道される“時の人”。築地市場の移転問題や2020年東京五輪の準備で多忙を極める中での受賞だが、今回の受賞に対していったいどう感じているのだろうか?
■ファッションがつねに評価される存在
小池知事は2005年、環境大臣時代に提唱した「クールビズ」の功績によりベストドレッサーに選ばれ、今回が2度目の受賞となるが「何度いただいても嬉しい」と語る。授賞式にはロイヤルブルーのジャケットにしなやかなロングドレスで出席。そしてトレードマークのショートヘアにピアスがきらめいていた。凛々しく知性的でありながら華やかさも併せ持つその装いは、小池知事ならでは。今回のジャケットは「ロイヤルブルーは優雅でノーブルな感じが好きなので」という理由からチョイスした。おなじみの「百合子グリーン」で選挙を勝ち抜き、「ブルーオーシャン」で都庁に初登庁した知事は、やはり自身に映える色を知っている。
また今回はウールファッションの似合う人物に贈られる「ウールマーク賞(Woolmark Award 2016)」も受賞。「今日のドレスはピュアウール。生地は薄いけれど暖かい。大切な羊たちからこのような恵みを受けるのはありがたいこと。それが持続可能であるように、これからも環境問題にもしっかり取り組んでいく」と政治家らしい切り口でファッションを語った。
■セミオーダーで実現するオンリーワンの装い
キャスター時代、100着もの上着を所有していたという小池知事だが、この数年で50着までに厳選したという。セミオーダーでオーソドックスなデザインのものを異なる素材や色で作ったり、襟だけ取り換えられるようにすることで何通りもの着こなしを可能にしている。「オーダーの服というと高いと思われるかもしれないが、決まった形のものをオーダーすると既製服より安く仕上がることもある。世界にオンリーワンの服で、ほかの人とかぶることもない」とその利点を説明する。
スーツのセットアップは上下の組み合わせを変えるだけでも印象が変わる。華麗な着まわし術は公務の様子をテレビで見ても、一目瞭然だ。「好きなものは大事に着る」という姿勢に共感する女性も多いだろう。そして「ブランドものはほとんど持っていない。流行を追うのではなく、自分に似合うものを着る」という鉄則のもと、時代に流されないスタイルを貫いている。
■政治家ファッションの影響力の大きさ
政治家としてファッションで気を付けている事は「やはりTPOに合わせること。女性としてきっちり感があったほうがいいのかなと思っている」。おしゃれのライバルは特に思い浮かばないというが、「ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官のアクセサリー使いがいつもなかなか大胆で、関心を持っている」という。自身も防衛大臣時代に着けていたネックレスが話題になったことがあった。「ワシントンでセールで買ったネックレス。すごく安かったが、とても人気になって真珠業界が活気づいたと聞いた。実は真珠じゃなかったのだけれど」と笑う。
都政の大改革だけでなく、あらゆる動向が社会に影響を与えてしまうのも、小池知事の魅力と才能なのだろう。クールビズ運動を主導した「時代の顔」は、さらに新しい形で日本を牽引していく。「仕事へのバイタリティは、ちょっと『ええかっこしい』かもしれないが、使命感。そして『都民ファースト』を実現したいという思い、その一つ」と語る小池知事。彼女の存在を見ていると、ファッションが個性や信念、生き方そのものを表すということにあらためて気づかされる。「ファッションは楽しい。息抜きになる」というが、これからもオンリーワンの「百合子スタイル」を披露してもらいたい。(c)MODE PRESS