豪グレートバリアリーフで過去最大の白化現象、北側に大きな被害
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【11月29日 AFP】オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)で、サンゴの色が白くなる白化現象が今年に入り、過去最大規模で進んでいることが28日、科学者らの最新調査で分かった。
グレートバリアリーフは全長2300キロを誇る世界最大のサンゴ礁だが、今年3~4月の海水温が高かったことで、全体の3分の1に当たる北側が大きな被害を受けた。
北側700キロは人が近づきにくいために、より手付かずのままの状態だが、海中の追跡調査の結果、浅瀬にあるサンゴ礁の67%が過去8~9か月の間に消滅したことが分かり、上空からの調査を裏付けた。
一方、主要観光地のケアンズ(Cairns)やウィットサンデー諸島(Whitsunday Islands)を含むグレートバリアリーフ中部・南部の被害は比較してかなり小さかった。
豪ジェームズ・クック大学(James Cook University)を拠点とするサンゴ礁研究センター(Centre of Excellence for Coral Reef Studies)のテリー・ヒューズ(Terry Hughes)所長は「2016年の被害の大半は(グレートバリアリーフの)北側の最も手付かずの地域で起こっている」と述べ「この地域は、1998年と2002年に発生した白化現象では小さな被害にとどまったが、今回は大きな影響を受けている」と指摘している。
白化現象は通常サンゴと共生して光合成を行う微小な藻類が、海水温度の上昇など異常な環境条件によって失われることで起きる。(c)AFP