【11月29日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は28日、キューバとの国交正常化に向けた取り組みについて、キューバ政府が大幅な譲歩に踏み切らなければ打ち切る用意があると発言した。バラク・オバマ(Barack Obama)現政権が尽力してきた歴史的な和解が立ち消えになる可能性も出てきた。

 25日にキューバのフィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長が死去したことを受け、トランプ氏の上級顧問らは27日、キューバと「もっと有利な取引」を行うと約束した一方で、冷戦(Cold War)時代から対立を続ける両国の関係改善に与え得る影響については触れていなかった。

 だがトランプ氏はその翌日、ツイッター(Twitter)に「キューバが自国民、キューバ系米国民、米国全体に対してより良い取引をしようという気がないのなら、私はその取引を終わりにする」と投稿し、対キューバで強硬姿勢を取る構えを示した。

 これについてホワイトハウス(White House)は、キューバとの関係改善を決めた現政権の方針を擁護。ジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)大統領報道官は、オバマ政権が関係改善に乗り出したことにより「キューバ国民にとって大きな利益をもたらした」だけでなく、「米国民にとっても大きな利益をもたらした」と強調した。 (c)AFP