【11月28日 AFP】来年4~5月のフランス大統領選に向けて、最大野党・共和党など右派陣営の予備選の決選投票が27日行われ、即日開票の結果、「小さな政府」を掲げる保守改革派のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相(62)が圧勝した。アラン・ジュペ(Alain Juppe)元首相(71)を破り、次期仏大統領の本命候補に浮上した。

 フィヨン氏は、投票所1万229か所のうち9193か所の開票が終わった時点で67%を得票した。

 ジュペ氏が敗北を認めた後、フィヨン氏は「フランスは真実を必要としている。行動を必要としている」と支持者を前に勝利宣言。「左翼なら失敗、極右なら破綻だ」とも述べ、フランス人であることを誇りに思っている全ての人の候補になると力を込めた。

 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)前政権で首相を務めたフィヨン氏は「フランスは反乱が起きる瀬戸際にある」と現状への危機感を表明。公務員50万人の削減や労働時間の拡大による経済再建が必要だと訴えている。

 敬虔(けいけん)なカトリック教徒のフィヨン氏は、移民やイスラム教に関して強硬路線も取っており、先週はフランスへの新たな移住者に対して「他人の家に入ることはそれを乗っ取ることではない」と発言した。

 エリートに対する反感に乗じる形で米大統領選ではドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が当選し、英国では欧州連合(EU)からの離脱が決まった。それだけに、次期仏大統領選は主流派の政党にとって試金石になるとみられている。

 フィヨン氏は、トランプ氏の衝撃的な勝利に続くことをもくろむ極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首と激しい戦いを展開する見通しだ。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT / Clare BYRNE