スペイン政府、イスラエル農相のドローン譲渡に説明求める
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【11月26日 AFP】イスラエルの農業・農村開発相が、同国を訪問したロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相にスペイン製のドローン(小型無人機)を必要な許可を得ずにプレゼントしたとされる問題で、スペイン政府は25日、イスラエル側に説明を求めたことを明らかにした。
イスラエルのウリ・アリエル(Uri Ariel)農業・農村開発相は今月、メドベージェフ首相が農業研究施設「ボルカニセンター(Volcani Centre)」を訪問した際に農作物の検査用ドローンをプレゼントした。その場の流れで突然申し出たとみられるが、本来、このドローンを譲渡するにはスペイン側の許可が必要とされている。
メドベージェフ首相が快く受け取ったドローンはスペインの企業アルファ・アンマンド・システムズ(Alpha Unmanned Systems)の製品で、同社のエリック・フリーマン(Eric Freeman)最高経営責任者(CEO)によると、5万ユーロ(約600万円)で販売されているという。
スペイン外務省の報道官はAFPに対し、ボルカニセンターへのドローン販売は「同センターを最終使用者とする輸出承認書」に基づくものであると述べた。承認書は「スペイン当局の事前の承認なしに同機を第三者に譲渡することを明確に禁止すると規定している」という。
同報道官は、スペイン政府は承認の要請を受けなかったと述べ、外務省が在マドリード(Madrid)のイスラエル大使館に公文を送り、この問題についての説明を求めたと明らかにした。
アルファ・アンマンド・システムズのフリーマン氏は、ドローンをプレゼントするというアリエル農相の決断は「完全に自然発生的」なものだったと指摘した。
「誰もが驚いた。特に必要な認可がすべて下りるのを長らく待ち、やっとのことでドローン飛行の認可を得たばかりだったボルカニセンターの人々はなおさらだ。彼らは2機所有していたが、そのうちの1機をプレゼントにされてしまった」とフリーマン氏は述べた。(c)AFP/ Marianne BARRIAUX