リオ五輪閉幕から数か月、「負のレガシー化」しつつあるゴルフコース
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【12月12日 AFP】リオデジャネイロ五輪が閉幕してからわずか3か月、大会で使用された美しいゴルフコースは、今では不気味なほど静まり返っており、打球の音よりも大きな鳥の声がけたたましく聞こえてくる。建設に1900万ドル(約21億円)を費やしたこの施設は、今や無用の長物に成り果てており、採算が合わず管理会社が即時撤退する可能性が浮上するなど、存続が危ぶまれている。
リオ市西部のビーチに隣接する自然保護区内にリンクスコースが建設されたことにより、これまでゴルフになじみのなかったブラジル人の関心を集め、国際的なゴルフツアーの開催地としても名乗りを上げるはずだった。
ところが、AFPが取材に訪れた際、練習場でボールを打っている客は3人しかいなかった。さらに従業員によれば、整備のため閉鎖中となっていたメインコースでは、開いているときでも客は20人いれば良いほうで、週末も人数が多少増えるだけだという。
クラブハウスに至っては、誰もいない上に現在も未完成のまま。椅子すらも置いていないカフェでは、たった一人のウエーターが、コース使用料を徴収するために助手と一緒に静かに客を待っている。
数週間前に世界のトップゴルファーが集結したこのコースには、ゴルフショップもなければ、所属するプロ選手もいない。ウェブサイトもない上に困った問題は、道路にはコースの入り口を示す看板がないことだ。
あまり人間が入り込んでいないせいか、この五輪コースでは野生動物が平和に生息しており、ラフの周辺には鳥やチョウが舞い、ネズミの仲間で犬ほどの大きさに育ったずんぐり体形のカピバラが歩いている。そして池には大きなワニが顔を出すこともあり、まるで完全に忘れ去られた土地にいるような気分にさせられる。