【11月24日 AFP】イラクの準軍事組織「ハシド・シャービ(Hashed al-Shaabi)、人民動員隊」は23日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に支配された北部モスル(Mosul)とシリアをつなぐISの最後の補給路を遮断したと発表した。

 モスルに対してはイラク軍などが奪還作戦を展開しており、23日には市東部で戦う精鋭部隊にも大きな進展があったもようだ。前日には米主導の有志連合が、市内でチグリス川(Tigris River)に架かる最後の主要な橋を爆破した。

 治安当局者によると、ハシド・シャービは市の西方で攻勢をかけ、シリアへのルート上にある2つの町を結ぶ道路を遮断した。ハシド・シャービの幹部もソーシャルメディアを通じ、この道路を遮断したことを明らかにしている。

 イラク軍などはモスル奪還に向けた大規模な作戦を10月17日に開始。同市はイラク第2の都市で、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者が2014年に「カリフ制国家」の樹立を宣言した場所でもある。

 イラク軍は既に東から市内に進攻している。一方、北と南からはクルド人治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)などの部隊が包囲網を狭めており、西側だけが市外に開かれた状態となっていた。

 今回の補給路遮断によって、ISがモスルと、「首都」と位置付けるシリア北部ラッカ(Raqa)の間で戦闘員や物資を移動させることは、非常に長い時間がかかり高い危険を伴う作業になるとみられる。(c)AFP/Ahmad Mousa with Salam Faraj in Baghdad