【11月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は23日、新政権の主要ポストである国連大使と教育長官に、南部サウスカロライナ(South Carolina)州知事のニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)氏(44)と活動家で富豪のベッツィー・デボス(Betsy DeVos)氏をそれぞれ指名すると発表した。主要ポストへの女性の起用は初めて。

 共和党内でトランプ氏を厳しく批判してきたヘイリー氏の起用は、選挙戦で自身の側についていた面々を主要ポストに抜てきするというこれまでの路線からは一線を画す形で、トランプ氏に政治的基盤を広げる用意があることを示していると受け止められるだろう。

 ヘイリー氏は、今年の米大統領選の共和党候補を選ぶ予備選でマルコ・ルビオ(Marco Rubio)氏の選挙運動に参加し、トランプ氏が白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」を拒否しないことを非難していた。

 強硬な保守派のヘイリー氏に外交政策経験はないが、閣僚級ポストである国連大使への就任が上院に承認されれば、国際社会に大きな影響を及ぼす外交官となる。インド人移民の家庭に生まれたヘイリー氏はまた、これまで白人男性のみで構成されてきた新政権の最上層部に一定の多様性をもたらすことになる。

 一方、閣僚ポストである教育長官に指名されたミシガン(Michigan)州出身のデボス氏は共和党の大口資金提供者で、保護者が税額控除やバウチャー制度を通じて公立学校システムの枠を外れられる制度を求める「学校選択制」運動に取り組んできた。(c)AFP